Hello Tokyo from Christoph Gelep on Vimeo.

今回もChristoph GelepさんのHello Tokyoからです。
2分24秒あたりで、見事な感じつなぎをかましています。日本人だとこういうカットつなぎはなかな思いつかないような気がします。速すぎて良くわからないと思うので1フレームづつ画撮しました。少し長いですが、勉強になるのでお付き合い下さい。

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎフレーム(以下F)1

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎフレーム(以下F)1

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF2

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF2

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF3

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF3

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF4

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF4

ここまでは普通に手持ちジンバルのショットです。そして次からデジタルZOOMアップだと思いますが、漢字によっていきます。さて、ここで問題です。彼はなんの文字にZOOMアップしていくでしょうか?

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF5

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF5

おっと、コレは分かりやすいですね。そう、外人からみるとやはり薬という漢字は面白いのでしょうか、急速にZOOMアップをし始めました。

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF7

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF7

ちょっと面倒になってきたので、1フレーム抜きました。同様にZOOMアップ中です。

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF10

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF10

さらに2フレぬきました。少々面倒くさくなってきたので、理解できる範囲で最小限の画像をUPしてゆきます。このカットでよりきりました。そして彼のニクイところはココでカットを変えないということです。この後再びカットを割ることなくZOOMバックします。

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF14

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF14

3フレームぬきました。コレZOOMバック中です。まだカットは変わっていません。そしてこの画面下をタクシーがワイプするところで次のカットに行きます。つまり、厳密には漢字&ワイプつなぎということです。

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF15

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF15

このフレームまでタクシーが入っていますが、次のカットからタクシーではなくなります。

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF16

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF16

もの凄く似たカットでカットを割っていないように見えますが、実はここで別カットになっています。しかし漢字とZOOMバックがつながっているので、作品をノーマルのスピードで観ると魔法のようなつなぎでどこでカットを割っているのかわかりません。何故これ程、カットのつなぎに拘るのか素人さんには理解できないかもしれませんが、映像作品の場合、カットを割る度に視聴者の意識をカットしていくことになります。映画などの場合、ドンドンドンドンお客さんに作品の世界に入ってきて欲しいので、鑑賞の意識や集中の深みを削ぐカットつなぎはなるべく意識させないようにしないといけません。だから彼は漢字、ZOOMバックをつなげ、しかもタクシーがワイプする瞬間を狙ってカットをつないでいるわけです。まさにお手本となるカットつなぎです。

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF17

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF17

1フレームしかこのカットはZOOMバックしていません。ここで完全に次のカットになりました。

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF18

魔法の編集テクニック 必殺漢字つなぎF18

まさに魔法の編集テクニックです。普通の速度ではどこでカットが変わっているのか、まったくわかりません。素晴らしいの一言です。ということで、彼は撮影している段階でこのカット編集は意識していたわけです。ドキュメンタリー作品などでもこういった感じで編集を考えながら撮影しなければ、良い作品は生まれないということです。