大資本を投入して製作する、お金儲けが目的の商業的映画の場合、監督は製作サイドの「このキャストで、こういった内容の作品を作ってくれ」という要望に応えていくだけです。

しかしインディーズ映画の場合は監督も当然、製作的な視点からの作品作りが必要になります。では具体的にどのような戦略が必要なのか書き記しておきます。ちなみに、このテキストはは現在制作中の映画『Peaceful Planet』の製作日誌の一部で、自分の理解を深め整理するために自分へ向けて書き記したものです。なので、人様のお役に立つような内容ではないかもしれませんが記録しておきます。映像制作歴が長い人からみればあたりまえに感じる部分とあるとおもいます。あらかじめご了承の上で、お読み下さい。

名がある人に参加してもらう

これは物凄くあたりまえのことですが、自分の場合は気がつくまで7年もかかりました。作り始めの頃はついつい自分の世界ばかり追求してしまいがちです。しかし、映画ともなるとできる限り多くの人達に観てもらわなければなりません。

例えばクラブでPARTYを主催したとします。例えアナタが有名なDJだったとしても、アナタ1人ではPARTYはできません。そんな時、当然客を連れてこれるアーティストに出演を依頼します。予算にもよりますがお客を300人呼べるアーティストに10万、100人呼べる人3人に各3万支払ったとします。それ以外には、ハコ代が30万、その他は基本的には入れないでデコレーション10、VJ5、その他スタッフ、フライヤーなど20万かかったとして計94万円です。計算通り600人の集客があったとして1人3000円の入場料だとしたら180万円です。自分1人の力ではこうはいきませんが、例えアナタ自信が1人もお客さんを呼べなかったとしても、人を呼べる人に協力してもらうことによって、予算100万円のPARTYで200万円の利益を上げることができます。もちろん、全てが計算通りに進むわけではありませんがベースには、こういった考え方が必要になります。そして、これは映画の場合も同じです。使用する音源や、出演する役者、ナレーターなど、予算が許す範囲で人気のある人を起用した方が一時的な出費がかさんだとしても沢山の人に観てもらえる可能性が高まるということです。インディ―ズ映画を監督するなら美術、照明、音そして演出まで、全てに凝る必要がありますが、誰を起用するかなどのプロデューサー的視点にも磨きをかける必要があります。

公開に関する戦略

通常では単館系の映画館で上映することになりますが、ただメジャー映画や予算のある海外のインディーズ映画と同じように公開しても、それほど面白くありません。劇場に20万円も30万円も払って上映してもらうなら、使用した音源のアーティスト達に協力してもらってキャンプ場など貸しきって音楽イベントと野外上映を兼ねたものにするなど、話題になるような策を練る必要があります。また、居酒屋など日曜日の昼など安く貸りきってゲリラ的に上映するのも個人的にはやってみたいことの1つです。

一時的な流行に乗らない

勘違いしてはいけないのは、映画は名作なら何十年後にも新品のDVDなりBDを買ってくれる人がいるということです。なので一時的なテーマではなく人類の普遍的なテーマを題材にする必要があります。そういった意味では一時のアイドルやタレントを起用するのはインディーズ映画の場合、まったくナンセンスということになります。あくまでも狙いは10年、20年なっても新たに買われる作品です。そういった意味でも、音楽は本当にいい曲を使わなければいけないということがわかります。

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