国などが実施する政策に関する説明会などは、記録映像を残すことが多い。そして、それらの資料は国立国会図書館に保存され、例えば内閣府のものであれば内閣府のホームページにも掲載される。その政策について把握しておかなければならない各都道府県の担当者は、一度の説明で把握しきれなかった事を冊子やこれら映像資料を通して再確認します。

自分が担当した内閣府の記録映像は、午前2時間、午後2時間ノーカット、計4時間の記録映像を翌日の18時までに納品するといったものでした。スチールならともかく、編集が必要な動画を撮影日の翌日に納品するってことはあまり少ないように思われるが、受けた以上は睡眠がとれるとれないに関わらず、納品しなければならない。

記録映像といっても様々なものがあるが、今回に任務は東京オリンピックの記録映像とかそういった大それたものではなく、使用用途は前述のように、政策の内容の再確認用である。

なので自分は以下の内容で撮影と編集を行った。

◼️引き画・ミドル・アップ(3キャメ全て)=Panasonic GH5

◼️俯瞰引き画の予備カメラ=Sony HXR-NX5R

◼️音声=Zoom H6でミキサーからラインで収録

◼️音声サブ=Zoom H5(より用のGH5につけて同録)

スタッフは2名、会場の営業時間の関係上から、9時搬入開始で10時シュート。これ、結構時間がない。予備カメラは俯瞰アングルを狙っていたのでライトのHMI用の三脚にオスダボをかまして、その上に自由雲台を付け、脚に砂重しをかましてセッティングした。現場で電池を変えたりSDカードをフォーマットしたりする時間が無いので、前日に全てすませていた。長時間撮影のためにカメラはバッテリーではなく外部電源用アダプターを使用。タップをひくのに少し手間取ったが、貸し会議室なのでコンセントがいくつもあり、わりと楽にセッティングできた。あとは、ホワイトバランスの統一と音声収録の再確認をし、本番20分前には全てのセッティングを無事に終了。

撮影は時間通りに終わり、残すは編集作業。撮影のみで来てもらったスタッフに「これから編集大変ですね」と言われた。編集そのものは4キャメの素材をZoom H6の音に合わせて並べ、後は早送りで良くない部分を捨て、あとはベースになるカットをミドルにし、それにアップと引き画を入れていくだけだ。本来なら一度はじっくりと観たいものだが、そんな時間はない。4時間尺のデータを書き出すのに時間がかかるため、帰宅後直ぐに素材を取り込み編集を始めた。

途中、形になってきたので3時間程睡眠をとり、以下の事を再確認しながら最終調整を行った。

◼️カットとカットの間に1フレ、2フレの隙間がないか

◼️演台の人が「みなさん」とか「みなさま」と言っている部分を重点的に引き画を使うようにし

◼️音の微調整

完成してもまだ時間との勝負が続いた。4時間レンダリングするのに1時間半、そして前半部を書き出しはじめたのが13時。え~2時間書き出すのに1時間25分かかった。ってことは終わるのは16時頃か。バイク便を16時に頼み、16時少し前に書き出しが終わったがディスクに書き出すのに少し時間がかかり、15分待ってくれとバイク便の兄ちゃんにお茶代を渡そうとしたが、にこやかに丁寧に断られた。なんていい人だ。俺だったら絶対に貰うのに。待たせたことを誤り、16時15分にマスターをバイク便に渡し無事任務終了!ふー今週も何気に忙しかったが土日は完全にOFFだ。ありがたい。

どんな作品であれ完成後は一気に気が抜ける。カンチューハイを一本飲んで無理矢理元気を出し、愛犬のポテチの散歩を済ませ、またチビチビとやりながら家族の夕飯を作り、自分だけ一足先に食べて寝た。ふ~今日も充実してたぜい!

そして翌週の月曜日、OKの連絡がきた。とにかく時間との勝負だったので突っ込みどころもあったかもしれないが、次の仕事があるため、一発OKは本当にありがたい。