インターバルの設定目安

完成形の速度や、作品の中でのそのカットと意味というか伝えたい感覚などによる部分も大きいので一概にコレだという数値はありません。なので以下の数値は、情報がまったく0から始めるよりかはいくらかましといった感じ程度なのであくまでも参考として自分の作品にあった数値を探していきましょう。

1・車の流れやスクランブル交差点街など人の行き来が激しい被写体:1~2秒
2・風速5m/s異常の風がある程度ある日中の空や雲:3秒
3・日中の穏やかな日の空や雲の撮影:4~7秒
4・2,3の要素も取り入れつつ朝焼け・夕景など:4~8秒
5・夜の天体星空撮影:10~30秒

これらの数値は写真で撮影する場合の目安です。最初っからビデオで撮影する場合、1~4に関しては普通に撮影しても特に問題なく撮影できます。また、その場合5の星空の撮影は当然難しくなります。

また当然のことですが、星空の撮影時、シャッタースピードを13秒にしてインターバルを12秒ではおかしなことになってきます。

夕景から夜景まで連続したタイムラプス動画を撮影する方法

 

以下、Canonの場合のモードダイヤルです。映像制作や一眼ムービーの初心者向けに一応載せておきます。中級者以上の方はスルーして下さい。

Pモード:プログラムAE=被写体の明るさに応じて、カメラがシャッター速度と絞りの数値を自動的に決定します。
※AはAF動作や測光モードなど多くの機能が自動的に設定されてしまい、コントロールできる機能がかなり制限されてしまうのに対し、Pモードで自動的に設定されるのはシャッター・スピードと絞りの数値だけなので、AFモードや測光モードなどを自由に設定することができます。
※シャッター・スピードが「30”」(30秒の意味)などと表示される場合は被写体が暗すぎるということです。その場合ISO感度を上げるか、照明やストロボを使用します。
※シャッター速度が「8000」(1/8000秒の意味)などと表示される場合は被写体が明る過ぎなので、ISOの感度を下げるかNDフィルター(別途購入する必要があります)を使用します。

Tvモード(Canon以外ではSなど):シャッター速度を決めて撮影するモード。《Tv》はTime valueの略で時間量のことで、マニュアルでシャッター速度を設定すると、被写体の明るさに応じてカメラが標準露出に必要な絞り数値を自動的に設定します。
※2.8などの小さな絞り数値が点滅する場合は、露出アンダー(被写体の光量が足りてない)なので、点滅が消えるまでシャッター速度を遅くするか、ISO感度を下げます。
※また逆に22などの大きな絞り数値が点滅する時は、シャッター速度を速くするか、ISO感度を上げましょう。
※「125」は1/125秒の意味。また「O”5」は0.5秒、「 15”」は15秒を表しています。

Av:絞り数値を決めて撮影するモード。AvとはAperture valueの略で開口量の意味です。つまり絞り優先AEのことで、絞り数値を決定するとカメラが自動的に標準露出に最適なシャッター速度を設定します。
※絞り数値を大きくすると(絞りを閉じる)ピントの合う範囲が前後に広く(被写界深度が深い)、逆に絞り数値を小さくすると(絞りを開く)ピントの合う範囲が狭く(被写界深度が浅い=昆虫の写真などで、ピンが昆虫の眼にきててその周りの草木などがぼやけているようなこと)なります。
※シャッター速度「30”」(30秒)が点滅する時は被写体の光量が足りてない警告です。点滅がなくなるまで絞り数値を小さくするか、ISO感度を上げます。
※シャッター速度「8000」(1/8000秒)が点滅する時は被写体が明るすぎる警告です。点滅がなくなるまで絞り数値を大きくするか、ISO感度を下げます。

M:Manualの略で、シャッター速度や絞り数値を決めて撮影するモードです。

【※一部:Canon80D取説より引用。他の機種では一部異なる場合があります。】

 

タイムラプスで夕景から夜景までをオートで一連で撮影するのはAvモードがベスト?

理論的には夕景→夜景までを一連で撮影する場合は、カメラ側がシャッタースピードを自動的にコントロールしてくれる『Av:絞り数値を決めて撮影するモード』が最適ということになります。

■日没後は当然、シャッタースピードは長くなってきます。星空など撮影する場合だと15秒とか20秒になってくるので、インターバルを長めに設定します。
■測光方法に関してですが、写真全体での露出設定にすると安定しないのでスポット測光で露出を決定します。流れる雲やその間から出たり隠れたりする月などではなく、山などでスポット測光するようにしましょう。

ただし、この撮影方法の場合、カメラの機種にもよりますが露出が安定化しないために動画にしたときにちらつきが出ることが多いです。露出平滑化機能がついているNikonのD810などには最適な撮影方法ですが、それ以外の場合は以下の要領で撮影するようにします。

Mモードで使用するレンズの開放F値に設定し、シャッター速度とインターバルで調整

露出平滑化機能がついていなかったり、Avモードで撮影した場合、どうしても動画化した時に露出の不安定さからくるチラつきがある場合はタイマー付のレリーズを使用して撮影します。途中で設定を変更しないといけませんが、日没から日の出を撮影する場合も上手くやれば2回設定を変えるだけなので、それほど難しいことではありません。以下具体的な方法です。

■日中はISOを下げ、シャッタースピードも速くし、前述のようにインターバルを短くします。街の日没なのか、明かり一つない新月の日の日没なのかなど、その時の撮影状況によって数値は変わってきます。なのでこの辺りは自分で試行錯誤するしかありませんが、日没後の露出に合わせて設定します。そして日が完全に沈んでから15分程、西の空が完全に暗くなりきるぐらいまで撮影します。
■そして、できるだけ短い時間で、その時の夜景の明るさに対応した露出になるように、ISOを上げ、シャッタースピードとインターバルを長く再設定し、あとは空が明るくなる前、この設定に露出の限界まで撮影します。します。当然のことですが、この時に
■そして、これも可能な限り短い時間で、できれば10秒程度に、朝日が昇った後の露出に合うように、ISO、シャッタースピード、インターバルを設定しなおして、再び撮影します。

ここまで長時間撮影するとバッテリーの問題や、SDカードの容量などクリアしなければならないことが幾つかでてきますが、自分の持っている機材の中で最長のタイムラプス動画を制作してみるのも面白いのではないでしょうか?

タイムラプス動画制作時のフォーカスの決定方法

以下その詳細です。タイムラプスの場合、日中なら流れる雲、夜なら車の走りや星などいずれにしても動きのあるものを撮影することになるので、オートフォーカス機能は使用できません。なのでマニュアル・フォーカスで撮影します。

■星空などを撮影する時、拡大機能付ライブビューを使えるカメラでは拡大して星にピントを合わせ、テスト撮りしてピントを確認しながら決定します。下の画像にあるようにフォーカス・リングを無限=∞側に回し切るのではなく、14-24mm付近など前述の要領で確認しながら決定し、ピントを合わせたら撮影中にフォーカス・リングが動かないようにパーマセルなど剥がしやすいテープで固定しておきましょう。
■また、ショルダー・ストラップなどは揺れてしまうので外すか、テープなどで完全に固定します。
■風などがある日はさらに、三脚をウエイトなどで固定します。ウエイトなどを持っていくのが困難な山の頂上などの場合は鞄にペットボトルなどを入れ紐状のもので三脚にテンションをかけ揺らがないように工夫する必要があります。
■花の開花や昆虫の羽化などは別ですが、風景をタイムラプスで撮影する場合は基本的には広角での撮影になり被写界深度は深くなります。なので、星空のピントは完成した動画で何を目立たせたいのかにもよりますが、天の川ならその中で目立っている明るめの星に合わせるといいです。

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画像出典:http://yamasha.net/