Canon 80DでMVを撮影してみた

最初っから直球で感想を言わせていただくと、正直最高の名機です。スペックの詳細はメーカーのサイトで確認すれば済むことなので省かせていただきます。ここでは実際に現場で使用してみた感想をお伝えします。

この子の前の70Dが低バジェットの商業映画や、インディーズ映画の撮影で使用されているのを知っていたので多少は期待していましたが、ここまで素晴らしい名機だとはまったく思いませんでした。

地明かりでのナイター撮影でも一流の照明技術がライティングしたかのように撮影できる

いや〜、本当に驚きました。テスト撮影を知る人ぞ知る三宅洋平の選挙スピーチでした時、普通にいい映が撮れました。しかし、立川の駅前というわりと明るい場所での演説だったので、その時はこの80Dの底力を知ることが出来ませんでした。「ふん、ふん、普通にいい映が撮れて、買って良かったな」的な感じでした。

ところが今回、ラップ系のMV撮影で80Dを使用した時、このコの本来持っている底力を知ることになりました。下のyoutubeで一部を観れるこの作品は低バジェットなので一日撮りで照明マン無しでした。撮影は順調だったもののメインの歌をうたうシーンの撮影時にはすでにテッペン(夜中の12時)を越えていました。ロケ地は川崎の工業地帯、あるのは怪しいオレンジ色の光を放つ超タングステン的な街灯と車のライトのみ。

素人同然の製作体制に「今度撮影する時は必ず照明を入れろ、これじゃーいい画が撮れるわけがない」などとブチブチ愚痴をかましながら、車のライトを演者二人にあててみる。しかし当然車のライトは人物を照明するようには作られていません。アップライトにしても、人物の顔を照らすことはてきず、万事休すとなりました。もう他に手がなかったので地明かりで勝負することに。完全に疲れきっていたので、グレースケールすら出し渋って、マニュアルで色温度設定!たしか2800kとかの2000台にしたところで、超オレンジな街灯に照らされた人物の肌が、普通の人の肌色になり、一安心して撮影。当然、背景の感じと人物にあたる街灯の光の角度が最高の位置にアーチストさん達に立ってもらい撮影したのですが、モニターに映る画がとにかく美し過ぎたので内心、「きっと睡眠不足かなんかで頭の働きがおかしくなったか、canonが撮影者の気持ちを高めるために、何か特殊な小細工をして液晶モニター上では綺麗に見えるだけのことだろう」と思っていました。

恐るべき今の高感度機材

最近のカメラは恐ろしく高感度だから、ナイターとかも綺麗に撮影できると情報としては知っていましたが、ゲイン上がり過ぎによる画質の露骨な低下は覚悟していました。

なんせ、本ナイターの80Dのテスト撮影はしていなかったので正直、画質の劣化は覚悟していました。「やっぱし、照明マンのいないナイターだと、どうしても画に限界がありますよ」と言い訳を製作の方にいいながら撮影して行きました。

最初は演者のテンションを上げる為に、あえてポジティブな言葉を浴びせていたのですが、本当に美しい画だったので、撮影しながら久しぶりに心の底からワナワナと感動してしまったのです。

実際に編集してみてビックリ

こんなにも、画質が劣化しないのかゎぁぁ〜!本当に心のそこにからの驚きです。編集時、大きなモニターで観ても、一昔前まで必ずあったゲインが上がり過ぎたための画質の劣化が、まったくと言っていいほどないんです。「うわぁー、こんなにスゲーならもっと早く買っておけば良かったよー」

厳密に言えば当然、感度を上げまくっているので劣化がないわけではありません。しかし、その範囲が映画として公開できる範囲がにとどまっているところご凄いです。

【クライアント】 KissaSta∞uNique様
【内容】 MV制作

フルサイズではないので、大きな映画館での上映には向いていないかもしれませんが、単館系のちいさな映画館での上映では充分耐えられるという確信を得(まだ自分では試してないけど、70Dでも単館での上映などは行われていました。)これで一本劇場公開映画を撮影しても問題ないと思いました。

素晴らしい機材を低価格で提供してくれているCanonに感謝ですね、本当に!